2012年4月28日土曜日

遺伝性疾患を知ろう: 犬と犬と犬とワタクシ


オーストラリアの検査機関GTG
で、
ある遺伝病についてアフェクテッドかキャリアーかクリアかが判明する
検査犬種及び項目をずらーっと並べました。
外国の研究施設ですが日本人スタッフがいるので
日本語での問い合わせももちろん申し込みもOKです。
(いや、英語に自信のあるかたはエイーゴでどーぞ)

ひとつひとつは聞き慣れない、滅多に罹らないんじゃ・・?って気がする病気ですが
いえいえなんのなんの。これらの病気自体はガンガン増えてます。
多分日本だけで
病気の知名度が低いので、診察してくれた獣医師もこれだっっ
と気がつけない場合もあるんですもん。

犬の繁殖の場合は
こうやって信用の置ける検査機関で適正な検査を受ければ、
これらの病気を絶対に、
生まれて来る子犬に渡さずに済むんです。
くどいですが
絶対に。
科学の進歩ってすんごいですねー。
別にここの研究所じゃないところでもいいんですけど(笑)、
こちら様は要望が多ければ以下の犬種及び遺伝疾患でも
検査をできるように前向きに検討してくださる用意はあるそうです。

○a-フコシドーシス  --Autosomal Recessive Hereditary Nephropathy
・イングリッシュコッカースパニエル

○犬白血球粘着不全症  --Canine Leukocyte Adhesion Deficiency
・アイリッシュセッター

○フコース蓄積症  --Fucosidosis
・イングリッシュスプリンガースパニエル

○PRA(進行性網膜萎縮症)  --Progressive Retinal Atrophy
・アイリッシュセッター


DRバーンスタインの減量クリニック

○銅蓄積症  --Copper Toxicosis
・ベドリントンテリア

○CL病or神経セロイドリポフスチン症  --Neuronal Ceroid Lipofuscinosis
・ボーダーコリー

○イベルメクチン過敏症(MDR1)  --Ivermectin Sensitivity MDR1
・オーストラリアンシェパード
・オールドイングリッシュシープドッグ
・シェットランドシープドッグ
・ラフコリー

○フォンウィルブランド病T型U型V型  --Von Willebrand Disease (vWD) Type I, II and III
・ウェルッシュコーギーペンブローク
・オーストラリアンテリア
・シェットランドシープドッグ
・スコティッシュテリア
・スタンダードプードル
・ドーベルマン
・パピヨン
・バーニーズマウンテンドッグ
・マンチェスターテリア

○発作性睡眠(ナルコレプシー)  --Narcolepsy
・ダックスフント
・ドーベルマン
・ラブラドールレトリバー

○ピルビン酸脱水素酵素ホスファターゼ欠損症  --Pyruvate Dehydrogenese Phosphatase Deficiency
・クランバースパニエル
・サセックススパニエル

○網膜錐体変性症  --Cone Degeneration
・ジャーマンショートヘアードポインター

○脈絡膜形成不全(コリーアイ)  --Collie Eye Anamolly
・オーストラリアンシェパード
・シェットランドシープドッグ
・スムースコリー
・ノバスコシアダックトーリングレトリバー
・ボーダーコリー
・ラフコリー

○先天性停在性夜盲症  --Congenital Stationary Night Blindness
・ブリアード

○シスチン尿症  --Cystinuria
・ニューファンドランド
・ラブラドールレトリバー


余分なジムのcl時間が肥満を減少させる

○ホスホフルクトキナーゼ欠損症  --Phosphosfructokinase Deficiency
・アメリカンコッカースパニエル
・イングリッシュスプリンガースパニエル

○ピルビン酸キナーゼ欠損症  --Pyruvate Kinase Deficiency
・バセンジー

○prcd-PRA(進行性網膜萎縮症) --Progressive Retinal Atrophy(prcd)
・アメリカンコッカースパニエル
・イングリッシュコッカースパニエル
・オーストラリアンキャトルドッグ
・オーストラリアンシェパード
・オーストラリアンスタンピーテールキャトルドッグ
・スウェディッシュラップハウンド
・スパニッシュウォータードッグ
・チャイニーズクレステッドドッグ
・トイプードル
・ノバスコシアダックトーリングレトリバー
・フィニッシュラップハウンド
・ポーチュギーズウォータードッグ
・ミニチュアプードル
・ラブラドールレトリバー

○優性PRA(進行性網膜萎縮症) --Progressive Retinal Atrophy (Dominant)
・ブルマスチフ
・マスチフ

○rcd1a-PRA(進行性網膜萎縮症) --Progressive Retinal Atrophy (rcd1a)
・スルーギ

○rcd3-PRA(進行性網膜萎縮症) --Progressive Retinal Atrophy (rcd3)
・ウェルッシュコーギーカーディガン

○Type A-PRA(進行性網膜萎縮症) --Progressive Retinal Atrophy (Type A)
・ミニチュアシュナウザー

○X連鎖PRA(進行性網膜萎縮症) --Progressive Retinal Atrophy (X-linked)
・サモエド
・シベリアンハスキー


小児作業療法士カイヤホガフォールズ

犬の繁殖は私たちヒトや野生動物とは違います。
自然の摂理ではなく繁殖者の好みで子孫を作り出しているのですから、
わざわざ痛い思いや苦しい思いをさせる可能性が高いものをなんで作るのって話です。
実際に不自由な思いをしているわんこと暮らしているかた!
は、とくに声を出してほしいです。
・・本来は"飼い主さん"の仕事じゃないんですけどね・・

たとえばシスチン尿症はたくさんの犬種に現れている病気です。
遺伝病ってわかっているのに、近所の動物病院では「尿結石」の診断だけのことが多いです。
フォンウィルブラント病は、まあ血友病みたいなもんです。
ヒトで有名な血友病は男の人だけが発症するものが知名度が高いので、
メスのわんこが「血が止まりにくい体質です」って獣医師に言われたら
「そういう体質もあるのかぁ」と飼い主さんは思います。
「いろんな体質があるのは個性だから」って思います。
実は遺伝することが判明している病気のキャリアー同士の繁殖の結果だった可能性があるのに。
何よりも病気のわんこを治してあげたくてそっちを考えるのに忙しいです。


なのでお心当たりのあるかたはどうぞいつでもご相談してください。
こういう病気は遺伝病ですか?の質問も受け付けております。
繁殖者に伝える方法もご一緒に考えます。
遺伝病を生み出したことは反省して改善すべきことですが、
それらの繁殖者の全部が極悪人かと言えば、そうでもないもんです。
ただただ繁殖者を攻め立てては遺伝病はちっとも減りません。増えるかも。
繁殖者も飼い主さんもお互いに正しい知識を持つことが大事だなと思います。

ですから「あんたの繁殖犬から遺伝病が出た!」なんて言う気はさらさらありません。
犬の遺伝病は、隠しちゃダメなんです。
繁殖者を罵ってもダメ。
仲間はずれにするのもダメ。

現在の日本では、調査と検査を怠ったから発症しているんです。

一度間違ってしまったんなら、反省して次に生かせばいい・・
と言うかそれしか出来ないし、
そうしないと遺伝病を持たせてしまった子犬にも飼い主さんにも申し訳が立たないし、
犬種を作り上げ保存し向上してきた先人たちの苦労を台無しにしてるし
何よりも、臭いものにはフタをしていてブリーダーと自称するのは
この上なく恥ずかしいことなんです。
だからブリーダーはピンキリだと言わなければならないんですから。



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