494. 妊娠中の放射線被ばくの胎児への影響について・・・産婦人科ガイドラインより: 産科医 竹内正人のいのちのブログ
おはようございます
今日は、僕がこれまで大丈夫ですといってきた理由も含めて、放射線被ばくによる胎児のリスクについてまとめて説明しておくことにしますね。
(参考)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会 編集・監修
産婦人科診療ガイドライン 産科編2008
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CQ103:妊娠中の放射線被曝の胎児への影響は?
[本文中ではGy(グレイ)という単位で記載されていますが、Gy≒Svなので、ここではSv(シーボルト)を用います]
胎児への放射線の影響は、被ばくの時期と線量に依存しています。
具体的には
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1.受精後11日(妊娠3週、予定生理前です)~妊娠10週(3ケ月)までに50mSv(ミリシーボルト50,000μSvマイクロシーボルト)以上の被ばくがあると、奇形が発生する可能性があります。
※50mSvはかなり厳しい値(安全圏)で、通常は100mSvが基準値です。100~500mSvでも奇形は発生しないという報告もあります。
※国際放射線防護委員会(ICRP)は、妊娠のどの時期であっても「100mSV(ミリシーボルト)未満の胎児線量は妊娠中絶の理由を考えるべきではない」とされています。
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→福島の妊婦さんであっても、今は外部ならび内部被ばくを含めて、妊娠中に胎児が50mSvを被ばくする状況ではありません→ほとんどの専門家が、【どの週数であっても、胎児にはまず安全なレベル】とか、【直ちに影響を与えることはない】などと話している理由です。
2.妊娠10週(3ケ月)~27週(7ヶ月)では、100mSV以上の被ばくがあると、中枢神経障害(精神発達遅延)の可能性があります。ただし、18(15とする場合も多い)~27週は放射線への感受性がかなり低くなります。
※妊娠10週未満、28週以降の胎児は被ばくによって中枢神経の異常を起こしません
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3.妊娠10mSv(10,000μSv)の放射線被ばくは、小児癌の発症頻度をわずかに上昇されるが、個人レベルの発癌リスクは低いと考えてよいでしょう。
※通常の胎児が20歳までに癌にならない確率は計算上は99.7%ですが、10mSv、100mSvの胎内被ばくにより、99.6%、99.1%となります。
→10mSvの被ばくはありうるかもしれません、その場合は、あくまでも計算上の数値ですが小児癌の発症頻度が0.1%程高くなる可能性はあるでしょう
※放射線が生殖細胞のDNAを損傷し、生殖細胞に遺伝子変異が起こり、その影響が次世代に及ぶ可能性はあります。ただし、これまでに放射線被ばくによるヒト遺伝子変異が不都合を起こしたケースは確認されていません。
なお、放射線の影響で、死産率が上昇するということを言われる方もいらっしゃいますが、僕の知っている範囲内では、その根拠は示されてないと思います。
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